今できなくて、「面倒くさい」と逃げようとする君へ
公開日:
:
et cetera-life
塾の生徒への手紙
(実際には出していません。
このことを伝えたいと思って、
その時に使えるようにと願って言葉にしました)
もし、自分に該当すると思ったら、受取ってください。
~~~~~~~
今できなくて、「面倒くさい」と逃げようとする君へ
頭の回転がいい君だからこそ、
僕からのメッセージを届ける。
できる人なんだから、
本気でやったら、ほかの人が届かないレベルまでいけるんだよ。
~~~~~~~
でも今、できないんだな。
それは見ていてわかったよ。
隠そうとしても、ごまかそうとしても、誰が見てもわかる。
最初、話したね。
「一人一人、自分でしっかりとテキストを読んで、理解していかないと、ここのロボットはできないよ」
「今動いているロボットを見て、
”これで遊びたい” と思うのだったら、
塾に通うことをしないで、10万円程度するちょっと高価なおもちゃを買ってもらった方がよほどいいから。
お金と時間の無駄になるからね」
「ここのロボットは、組み立てるのは時間でも、内容でも1割程度。
ほとんどはプログラムを書き換えて学んで、
自分が動かしたいようにプログラムするのがほとんどだからね。
それができずに挫折して辞めていく生徒も出てきているからね。
学年が上がってから再チャレンジする予定の生徒もいるけれど」
でも、その言葉を聞いていませんでしたね。
「ごまかせる」
「やり過ごせる」
と表情に出ていました。
僕はそれはわかったけれど、
このような厳しくて、自己責任で取り組めるところに通うことで
『(最初がそうでも、トップレベルまで変わって)化ける』
生徒も見てきているので、
「自分で決めたことをやるのは楽しい」
と感じられる環境をつくり、そのように思えるようになることを期待して受け入れることにしました。
学校でも家でも、もしかしたらほかの塾では、ごまかせてきたのかもしれない。
けれどもそれは、君の優先順位が下がっていたから放っておかれただけなんだ。
~~~~~~~
この塾でその後も君は、「ごまかし」「やり過ごして」きたね。
でも、先日、ごまかしきれなくなって、
「わからないです」
「ほかの人、本当にわかっているの?」
と言ったね。
事実から言うと、ほかの人はわかっているし、今までのレベルのことは軽々と越えている人もいる。
もちろん、苦労している人もいるが、しぶしぶでも正面から取り組もうとしている。
やり過ごそうとしても、
僕たち先生が、「この問題どうやった?」と聞いて、逃げさせてあげていない。
もちろん、完璧な答え、正しい答えを求めているのじゃなく、
基本の考え方を知ってもらうこと、
手を動かして作図して、
自分の頭で答えを出すこと、
データをロボットに入れて試して結果をみること
を求めているだけ。
やる気があってこの塾に来たのなら、
とても簡単なこと。
言っておくけれど、
「正しい答え」は、「ロボット作り」「プログラム作り」にはないからね。
「よりよい答え」はあるけれど、それを判断するのは君だ。
解答集はない。
~~~~~~~
もともと、頭がよくて、発想が豊かで、
努力しなくても、もしくは少しやってみただけでできていたんだ。
幼稚園までは。
ほかの人ができない理由がわからなかったはずだ。
もしくは、「俺はスゴイ」と優越感があったかもしれない。
けれど、何かにつまずき、わからなくなり、
わからないことを口に出せないほどのプライドがあり、
わからないままでここまで来た。
優越感を持っていた相手が学校のテストでは点数を取っていたりする。
ますますプライドから口に出すことができず、
「まじめってバカくせえ」
「お、まじめ!」
「面倒くさい」
「眠い」
なんてバカな言葉を吐いていたんだな。
同じ土俵に上がることはしなかったんだな。
~~~~~~~
でも、今、
自分のできなさを口にできた。
そのように
できない自分を認め、
助けを求めることがスタートなんだ。
大人の世界でも、そんな風に
『現状を認める・受け入れる』
『助けを求める』
ことは大切なんだ。
できない人は多いし、
それをサポートできる人も多いとは限らない。
僕は「人は根っこの部分では善だ」と思っているけれど、
苦しみや苦労、
もしくは以前の君のように、「自分はできる」という優越感から心がねじれてしまっている人もいる。
それに、答えを教えることはみんな喜んでやるけれど、
君が答えを見つける方法を身につけるまで、
その日を楽しみに、時には我慢してそばにいることができる人は、少なくとも全員ではない。
この塾は、それができる人がいる場所だよ。
~~~~~~~
今はもう、努力しなくてもほしいものが手に入るほどの能力はない。
このことを自覚してほしい。
その上で、
「本当にできるようになりたいこと」に取り組んでほしい。
アメリカの大リーグに渡っていったイチロー選手も、
子供のころから今の技術があったわけではなく、
自分から学びに行き、知識を得て、考えて、トレーニングをして、技術を身につけていったんだ。
40歳を越えて激しい運動のスポーツ選手でいることは、とても難しい。
知識と技術があっても、続けられない。
そのスポーツの技術のほかに、
いつまでもスポーツ選手でいるための骨と筋肉と脳をトレーニングしていったんだ。
それは、努力で手に入れたんだ。
イチロー選手は、「努力」と思っていないかもしれないけれど。
それは、「本当にできるようになりたいこと」だったからなんだ。
そうじゃなかったら、
「まじめってバカくせえ」
「お、まじめ!」
「面倒くさい」
「眠い」
って言っちゃうだろ?
~~~~~~~
それでね。
君は有利なんだよ。
だって、もっと小さい時にはほかの人よりも優れていると言われていたんだろう?
きっと、その有利さはまだ残っている。
今気づいて努力しないと、消えてなくなるが。
少しわかると、グッとわかり、
グッとわかると、さらにグググッとわかる。
速さが違うはずだ。
そして、ほかの人よりも大きな発想の力を持っているはず。
発想力は「さらに倍」と言ってもいい。
可能性はあるんだ。
~~~~~~~
さっき、「本当にできるようになりたいこと」と書いた。
ゲームは、ゲーム機が目標を与えてくれる。
モンスターを倒すとか、賞金を稼ぐとか、王様になるとか。
けれど、自分の人生は、自分で目標を作らなきゃ。
それが、「本当にできるようになりたいこと」だ。
本当にできるようになる。
楽しい世界が待っている。
それは信じてほしい。
僕は、本気になった君の道しるべになることはできる。
RPGゲームの、「街の占い師」と言ってもいいかなあ。
~~~~~~~
もう、今の自分のレベルをよくわかり、それを僕に話せるくらいになった。
大変な進歩だ。
改めて、
「本当にできるようになりたいこと」
を教えて欲しい。
そして、
「昔は簡単にできた」
「昔は一番優秀だった」
という昔話は、人と比べずに、
「僕は、本来これくらい軽々とできる人だ」
という自信のもとにしてほしい。
そして、
「めんどくさい」
「わからない」
と逃げるな。
誰も君の人生を代りに過ごすことはできない。
人だから、弱音を考えることもある。
それも認めよう。人だから。
それに、自分を大切にしてあげられるのは、自分しかいない。
自分の身体の声、心の声をきちんと聴こう。
「本当にできるようになりたいこと」
があれば、努力する場所に必ず戻ってこれる。
大丈夫。
がんばれ。
どんな助けをしたら、君の役に立つのか、教えて欲しい。
僕はいつでも応援している。
※[余談]
SFの世界だったら、
もし「面倒くさい」と思って、自分の人生を生きるのが嫌で嫌でたまらなかったら、
君の身体を買ってくれる人がいるかも。
若い身体、きちんと動く身体があれば、夢は何でも実現できるからね。
今何も持っていなくても、努力したら得られるんだから。
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