憲法で「愛」の形を強制されるのは困る
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et cetera-opinion
Webにこのような記事があった。
『改憲派の憲法学者が安倍政権の改憲を批判する理由…愛国の義務化で“非国民”再教育制度が!
http://lite-ra.com/2015/05/post-1070.html 』
その中に、このような記述があった。
~~~~~~
もし、憲法で「愛国」の義務を課したらどうなるか。まず、国民に義務を課す以上、それを公平に実施するための法律が必要になる。例えば「愛国法」がつくられることになる。所管は文部科学省だろうか。そして、さらに政令、省令、通達、要綱などで、愛国心の具体的内容(例えば、日の丸に敬礼するとか、皇居の前ではおじぎをする……とか)と指導方法などが定められる。その上で、国民教育が実施され、その結果の評価が行われ、成績優秀の「愛国者」とそうでない「非愛国者」に分類され、非愛国者には再教育が課せられることになる。このシミュレーションは冗談ではない。きわめて標準的な法的推論だと小林氏は述べる。
(上記サイトより引用)
~~~~~~
些末といえば、とてつもなく些末な話である。
でも、「良心」や「愛」といったものを、
いや、もう少し具体的にいうと、「良心」や「愛」の形を決められるのは我慢できない。
まさにそれを決めるのは、私の「良心」や「愛」である。
教えていただかなくても、ガイドラインを作っていただかなくても構わない。その必要はない。
失敗したっていいじゃないか。
失敗やうまくいった経験から、本当の「良心」や「愛」を学ぶのだから。
改憲派の意見には、このような気持ち悪さが常に背後に見える。
もちろん、本の著者の小林節さんの主張の改憲論ならわかる。
それならば、改憲の議論の前に、
「100年後にも誇れる日本社会の姿を紡ぎだしていきながら、
現代社会の矛盾を一つ一つ検討する」
という作業を、丁寧にしていく必要がある。
おそらく、改憲派の人も護憲派の人も、「もうある!」と言い切るかもしれないが、
意見が違う人と対話もせずに、
今は同じ意見の人だけで盛り上がっているだけ。
まずは、対話から。
それも、結論をぶつけ、相手を圧倒しあうディベートではなく、
相手が大切にしている根っこのところを見つめ、共感しあう対話から。
それができてから、やっと「改憲」の議論ができる。
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