Vol. 16　[動的平衡だと、脳は偉くない]

公開日： 2010/08/11 : Core Infinity 通信

　「自分らしく１００％表現」の若狭喜弘「Yoshi（よし）」です。
　『Core Infinity 通信』を引き続きご購読いただきましてありがとうござい
ます。
【動的平衡だと、脳は偉くない】
　おもしろい新聞記事がありました。
　朝日新聞朝刊（２０１０年８月１１日付）第３面
　夏の基礎講座　「生命」　大衆文化担当記者が聞く
　お話は、福岡伸一さん。
　青山学院大教授、分子生物学。著書に「生物と無生物のあいだ」「動的平衡」
　「動的平衡」ってわかりますか？
　わかるようで、わからない言葉ですね。
　大辞泉では、「平衡」このように説明されています。
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１物のつりあいがとれていること。均衡。「からだの―を失う」
２つりあいがとれて物事が安定した状態にあること。「精神の―を保つ」
３物体または物質に変化を起こす原因がありながら、それらの効果が相殺し、
　一定を保っている状態。力学的平衡・熱平衡など。
（大辞泉より引用）
－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－
　ますますわからなくなりました。
　日常から例を拾い出すと、
　　　　『なかなか勝負が決まらない綱引きの状態』
　といえますね。
　さらに、「動的平衡」は、
　　　　『なかなか勝負が決まらない綱引きの状態（ただし、引き手が次々交
　　　　　代している）』
　といえます。
　記事は、このような状態の話です。
　お伝えしようと思ったのは、この記事の中の中盤以降、サッカーの日本代表
監督だった岡田武史氏の話です。
　いくつかキーワードをピックアップすると、
　　・以前は確率論で作戦を立て、選手にプレーさせていた。
　　・サッカーは自立した個々の選手が瞬間、瞬間で動き回るスポーツ。
　　・ばらばらに動きながらもある程度の秩序が保たれている。
　　・となると、一番不要なのは、監督。
　　・これがわかった後は、具体的な戦術を細かく指示することを控え、それ
　　　ぞれの選手が自ら動く意識を持つようなサッカーを目指すようになった。
　おもしろかったのは、この話を人間の身体に置き換えたところ。
　　・脳が命令して心臓が動いているわけでもインスリンを出しているわけで
　　　もない。
　　・体の代謝はそれぞれが自立的にやっている。
　　・脳を移植すると、体の免疫機能は一斉にその脳を攻撃しはじめます。
　とても、整合性のとれた話ですね。
　「体」も「チーム」も良いとこ取りはできません。
　チーム論、組織論へ当てはめてみると、とても興味深い結果になります。
　動的平衡を保っているチームや組織は、うまくいっている組織でしょうね。
　では、
　　　　『では、脳の役割は何だろうか？』
　いかがお考えになられますか？
　答えは、お考えいただくとして、
　答えを考える要素を、思いつくままに書き出してみます。
　　・プレーヤーとマネージャは違う役割。
　　・平衡状態を保つことは、プレーヤーの能力であり仕事。
　　・ある範囲で、加速、発展することは、プレーヤーの仕事。
　　・脳は、環境を整えることが仕事。
　　・脳は、平衡状態を保つためのプレーヤーの数と質を確保するのが仕事。
　　・「飛躍の種が必ず実践の中にある」のであれば、種を生み出す意識を持
　　　たせるのが仕事。
　　・「飛躍の種」を見つけ出して育てるのが仕事。
　　・「飛躍の種」を生み出すためには、「体」にも「脳」にも十分な多様性
　　　があること。
　　・「脳」は、「体」から他者であると認識されないこと。
　成長の鍵は、この辺りにありそうです。
　少なくとも、志を一つに職場に集まってきた仲間です。
　　　　力を持った仲間に、「体」と「脳」が価値観や生き方などに共感し、
　　　お互いが人生で得たいものをサポートしつつ、能力を発揮してもらう。
　そんな組織作りのストーリーを作りませんか？
　作るときには、共犯的にみんなを巻き込んだらおもしろいですよ。
　　　　　　　　　　　　　　　　『自分らしく１００％表現』
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　若狭喜弘（Yoshi）
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●８／２８－２９(土ー日)チャプター合同合宿
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□日　時□　2010年8月28日13：30～8月29日16：30
□場　所□　彦根市琵琶湖コンファレンスセンター
□参加費□　会員18,000円　　一般19,000円
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テーマ　　「成果に繋げるコーチング」
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□日　時□　2010年9月26日（日）13：30～16：30
□場　所□　ウィングス京都
□参加費□　会員1,000円　　一般2,000円
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