Vol. 97　[「質問に正直に答える」って難しい］

公開日： 2016/08/24 : Core Infinity 通信

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　　Core Infinity 通信【Vol. 97】　　　2016/08/24
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　リフレクション・コーチングの若狭喜弘（Yoshi：よし）です。
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【「質問に正直に答える」って難しい】

　日常生活でも、職場でも、家庭でも、コーチングでも、

　　　「質問に正直に答える」って難しい

　ものです。

　国や文化でどこまで正直に答えるか違うものだし、
　強盗に襲われたときに、正直に答えていいものか。
　また、交渉のために特に他国に行ったときには、すべて正直ではいけないだろう。

　でも、
　コーチングで、コーチからクライアントに質問したとき、
　仕事上の話で、上司から部下に質問したとき、
　家庭で、学校から指示された用意するものを子供に質問したとき
　スポーツの指導者が部員に「プレイの意図」を質問したときは、

　正直に答えてもらいたいものです。

　正直にそのまま答えてもらえないと、次にすることが決まりません。

　でも、こんな時にも、正直な答えが出てきているとは限りません。

～～～～～～～

　そんなとき、
　交流分析（TA）では、「交差交流」「裏面交流」になっていると言います。

　ストレングス・ファインダーでは、「着想」が活発になって思いつきをしゃべっていると言います。

　4つのタイプでは、「サポーター」気質が長々と説明していると言います。

　アカウンタビリティとヴィクティムでは、自分の責任を引き受けず、「被害者意識」から語っていると言います。

　前者・後者論では、「後者」が的外れなことを話していると言います。

（※それぞれの語句の意味は、各自お調べください。）

　あまり「望ましい行動」という表現の仕方をしていません。

　「質問に答えて欲しい人」は、コーチも上司も親も、こんな思いをしながら聴いています。

　少なくともコーチはここから外れないといけませんが、
　口や表情に出さないようにして、目の前の人をタイプ分けして話を聴いている人も多いと思っています。
　コーチングを学びはじめて間もない人は、タイプ分けさえできずにアタフタしていることもあります。

～～～～～～～

　プロのコーチは、専門職として、ハイレベルの目標を持つクライアントの目標達成やまだ見ぬ世界に到達するために必要です。

　一方で、上司、親、地域スポーツの指導者など、「草の根コーチ」は、
　コーチング会話の対象者が莫大な数がいるため、
　だれもが草の根コーチになれないといけません。

　これから以降は、そのような「草の根コーチ」向けの文章です。

～～～～～～～

　クライアントが正直に答えてくれないと困りますよね。
　平たく言うと、
　「部下が」「子供が」「部員たちが」正直に答えてくれないと困りますよね。

　それにはいくつかの理由があります。
　先に述べた、個人個人の応えるための頭の中の思考の違いも含めて、

　　　・何を質問されているのかわからない。（質問の意図が不明瞭）
　　　・質問の意図を違って理解した。
　　　・質問者の意図が隠されているし、答える方はそれがわからない。
　　　・事実を答えたらいいのか、気持ちや考えを答えたらいいのかわからない。
　　　　（質問の意図が不明瞭）
　　　・そもそも質問だと思っていない。
　　　　（質問の形をとった指示・命令や深い感の表明がよくある）
　　　・考えて行動していない。行動しつつ意図を考えていない。
　　　・指示通りにやるよう躾けられていて、考えて行動をしたことがない。
　　　・すべて理解した上での行動ではない。
　　　・何を答えてもまた怒られる。
　　　・「よい報告」しか聞きたくないだろうと思っている。
　　　・「事実」や「本音」を答えない方が、互いのためと思っている。
　　　・「事実」や「本音」を答えたら、ひどい目に遭うと思っている。
　　　・質問されて刺激を受け、発想がどんどん広がっている。
　　　・すべて伝えないといけないと思っている。

　などがあります。

～～～～～～～

　結局は、

　　　答える側が勝手にやっている問題

　であり、

　　　質問する側の普段からの行動の問題

　の結果です。
　「双方」が引き起こした問題です。

～～～～～～～

　部下、子供、部員たちへの「草の根コーチング」では、・・・・もちろん「プロ・コーチング」でも

　クライアントが心を開いて、自分自身のことをきちんと語ってくれることがスタートです。

　そのためには、先に挙げたことを解決する質問をすればよいだけです。

　そこにさらに、

　　　上司から部下へ
　　　親から子供へ
　　　スポーツの指導者が部員たちへ
　　　「ありがとう」「ごめんなさい」を言う。

　ことかな、と思います。
　プライドだったり、
　「舐められたらアカン」だったりして、
　「ありがとう」「ごめんなさい」を言えない人が多いこと。
　（コーチングとは直接関係ありませんが、改善のためには一番大事です）

　もちろん、コーチングの要素の
　　　「ゴールの姿と期限」
　　　「現状認識」
　　　「やるべき行動」
　　　「評価の仕方」など

　を、クライアントが決めるサポートをし続けるのは当然です。
　これを「草の根コーチ」側が決めるから、
　質問に答えてくれないのです。

　ということは、
　「欲しい情報を手に入れられない」ことになるのです。

　ねじ曲がったコミュニケーションを長年続けてきたのなら、
　ほどくのにも同じだけ時間がかかると覚悟しておいた方がよいです。

　そんなつもりで、「真っ直ぐなコミュニケーション」を投げかけ続けてください。
　そのうち、正直に答えてくれるようになります。

　ということを、正直にクライアントに語って行動を変えたら、
　正直に答えてくれるようになるまでの期間が大幅に短縮できるかも。

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　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　若狭喜弘（Yoshi）

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