樹木希林さん
公開日:
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最終更新日:2018/11/02
et cetera-life
【樹木希林さん】
亡くなって1か月半にもなって、それも、僕が何の関係者でもないのに、もちろんお会いしたこともなく、なぜここまで思い出してしまうのか、不思議です。
新聞、テレビの特集などで、ずっとお名前が出続けているからだとは思いますが。
このように書き出してみたけれど、着地点がどこにあるのか?
僕にもわかっていないので、僕としてもどこにたどり着けるか楽しみです。
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樹木希林さんって、変な人だったですね。
そして、テレビの中の希林さんを見てどんな評価をしているのを聞くだけで、評価をしているその人がどの程度の人なのか、わかる人でした。
もちろん、それは映画で受賞されている近年のことではなく、10年前、20年前、30年前、40年前のことです。
おそらくイメージは、テレビドラマ「寺内貫太郎一家」の「きんバアさん」で、
ブス
恥ずかしい行動をする人
常識をわきまえない突飛な行動をする人
などかなあ。
その頃の友人が、テレビそのままの人柄だと信じて、ひどいことを言っていました。
子供時代は、そんな脚色された一連のイメージをそのまま貼り付けてしまうものです。子供に限らず、ドキュメンタリーで実際の現場にカメラが入っているような認識している人は、大人でもいるようですが。
10年位前だったと思うのだけれど、若い女優さんもあるインタビューで、インタビュワーから理想とする女優さんの候補として例にした際に、バカにするなと笑い飛ばしていたことが印象に残っています。
おそらく、今だったら、友人も、女優さんも、
「希林さんは、素晴らしい女優さんだった。
光栄なことに、子供時代からよく見ていた。
コミカルな演技を楽しんでみていた」
とでも言うのじゃなかろうか。
同じように道化を演じていた人として、篠原ともえさん、最近だったら、イモトアヤコさん。ほかに、お笑い界の人など。
テレビや芝居の役柄をそのままその人の性格と思ってしまうのは仕方ないし、芝居の最中は真剣にそう思わせようとするのだから、むしろ本望かもしれないが。
僕は希林さんのことをどこか惹かれていたし、10年ほど前に週刊DVDで渥美清さん主演の 「泣いてたまるか」 のある一話に奥さん(遺影)役で出演されていたのを見て 「この人が好み」 と思ったのでした。
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朝日新聞のコラム「語る 人生の贈りもの」に2018年5月8日~25日に登場されていました。
印象に残っていることばを。
・杉村春子さんの付き人としてお供して、小津安二郎監督の映画に行ったとき、何度も撮り直しをするのだけれど「なぜNGなのか、前の演技と次の演技の違いがわからない」
・内田裕也さんと結婚して一緒に住んだの3か月、45年別居していて、書類にハンコをもらうために時々会う。その時、両方でしゃべっちゃう。話がかみ合っている間はいいけれど、お互いにカッとなる性格だから2時間が限度。
・子供の時に他人と比較する無意味さを知ったので、映画の賞など受賞しなくてもかまわない。ただし、芸能ごとなので、世間が賞を楽しんでいるなら、「さいですか」と言ってありがたくいただこうと思う。でもトロフィーはかさばるからいらない。
・旭日小綬章をもらったとき、内田さんから「四の五の言わずに、おとなしくいただいとけ」と言われ、「私って言いそうじゃない?よくわかってるなあ」と感心した。
・映画「モリのいる場所」が好きだけど、大丈夫かなと心配なのは、映画が破けていないこと。つまり、役者が自らの分をわきまえていて行儀がいいのよ。映画ってね、「嫌だな、あの人」と皆が思うような、ずうずうしい演技をする人が交じることで、思いがけない面白さが出ることがあるのよ。
・ここまで十分生かしてもらったなあ、って思います。私、自分の身体は自分のものだと考えていました。とんでもない。この身体は借りものなんですよね。最近、そう思うようになりました。借りものの身体の中に、こういう性格のものが入っているんだ、と。
・いまなら自信を持ってこう言えます。今日までの人生、上出来でございました。これにて、おいとまいたします。
(すべて、朝日新聞「語る 人生の贈りもの」より引用・抜粋)
今回は、かなりおとなしめの調子でした。以前のことばにはこのようなものも。
・「“あの”旦那さんじゃなかったら私の“重し”は誰もしてくれない」と答え、「“重し”がなかったら私はどこへでも飛んで行っちゃう。たがが外れたみたいになっちゃう」と、約40年間別居していても大事な存在であることを強調した。
(日刊スポーツ:http://www.nikkansports.com )
・樹木は”タチが悪い”という自身のギャラ交渉について明かす
(AOLニュース:https://news.aol.jp/2016/05/17/smap/ )
ほかにも言葉はたくさんあるので、希林さんのことばに啓示を受ける人は各自「ことばカレンダー」を自分用に作ったらいいかも。(周りの人に配るなら、きちんと筋を通して・・・)
樹木希林さんのことばは、いろいろな人がまとめているので、探してください。
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最近、Facebookで何度も希林さんについて書いている。
惹かれていたのは確かだけれど、そんなにファンだったかなあ、と改めて思う。
その1
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希林さんって、とても激しい方と印象がある。
自分が信じたこと、決めたことには、
ゴジラのように破壊しつくす、ほどに、自分の信念を曲げない。
それくらい激しい人だという印象がある。
だからこそ、最期はあのように迎えられたのだ、と思う。
おそらく、普通の人と、「どうでもいいこと」「絶対に守りたいこと」の範疇が違っている。
だから、放っておくと、どんどん社会の「普通」に曲げられて行ってしまう。
だから激しかったのだと思うのだ。
そういう激しい人は、わかるから好きなんだ。
でも、似ている同士は、一緒に人生を過ごすわけにはいかないんだよな。
てなことをふと思ってみた。
ほかの人は知らないが、そういう傾向にある人は、共鳴するからか、わかるんだよ。
https://www.facebook.com/wakasa.yoshihiro/posts/2614242798589545
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その2
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「あとは自分で考えて」
樹木希林さんって、カメラの前ではそういうことを言いそう。
カメラマンとか、監督、共演者に対しては、
「自分で考えている人かどうか」
見抜いて、それを表情に出さずに淡々とやっていく人
のように思える。
「順番にこうやっていったら、こういう結論になるよね」
と、あくまでも自然な動き、心の動きを考えただけ。
このあとは、僕の私見なだけだけど、
その自然さから飛び出すパッション、思いつき、爆発、理不尽さ など
という人間らしさをあってもいいと認めるなら、
普通のことは普通にやっていないと、くっきりと目立ってこない、ということじゃないかな、と思う。
https://www.facebook.com/wakasa.yoshihiro/posts/2624041777609647
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引用して紹介するだけだったら、適任の方がたくさんいらっしゃる。
それでも、何か書きたいと思わせる人。
なぜこれだけ惹かれるのか、考えてみた。
普通のことを普通にしているところ。
人の心の自然な動きを、素直に理解して表現しているところ。
大多数の人が受け入れている 「普通」 からはみ出る自分を自覚しているところ。
そんな自分を出せる相手を見つけ出しているところ。
毒舌、口が悪いと思われがちだが、それはその通り。でも、傍若無人ではない。
かな。
僕個人の理想とする姿を実現している、
ほかの誰も、少なからず、『「普通」 からはみ出る自分』 はあるはずだから、
覚悟を決めて出してほしい、
そんな思いで離れられないのかもしれない。
人の心の自然な動きを理解すること。
人の心の自然な動きを、自分もすること。隠さない。
他人と比べないこと。
他人と比べて変えようがないことは気にしないこと。
「やりたいこと」は、他人から奪って実現すること、何かから逃げてやることじゃなく、もっと純粋なこと。
それが何か、自分に問いかけること。
これって普通のこと。
だけれど、それができない人が多すぎる。
このことに気づければ、人生は変わる、かも。
自分がそういう人生を生きずに、自分の子供など周りの人にやらせようと思ってもできない。
たいがいの大人は、理屈や実例で学んで理解して、やっと 「やってみようか」 となるので、実例を書いてみた。
追伸:樹木希林さんの映画を観に行こうと思う。
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