Vol. 95　[成長と成熟・・・・動的平衡も少々］

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　　Core Infinity 通信【Vol. 95】　　　2016/06/24
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　リフレクション・コーチング の若狭 喜弘（Yoshi：よし）です。
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【成長と成熟・・・・動的平衡も少々】

　成長と成熟を、それぞれどのようなものと考えていますか？

　「成長」といえば、木の成長、子供の成長、会社の成長
　といった、外から栄養を取り入れて、取り入れて上へ上へと伸びていくイメージがあります。

　「成熟」といえば、実の成熟、思考の成熟、社会の成熟、ウィスキーの熟成
　といった、良質への変化、混ざり合った状態、相乗効果、完成形といったイメージがあります。

～～～～～～～

　僕は、ちょっとどうしたものか、と思うことがよくあるのです。
　コーチングをしているから、よけいに思います。

　人は成長したがるものです。
　大きくなりたい。上手になりたい。今よりもっと大きな成果を手に入れたい。
　子供がまさにそうです。
　日に日に大きくなりますし、言葉を覚え、親やテレビの真似をするようになり、
　昨日より今日、今日より明日、成長します。

　でも、いま社会は「成熟」期です。
　元禄時代のように次第に成熟してきている、かどうかはわかりませんが、
　純粋な目で「成長」だけを求めているだけではうまくいかなくなってきています。
　成長や努力に比例した収入増には無条件にできなくなっています。

　指標の一つですが、わかりやすいものに、「日本の人口」があります。
　人口減時代が来ています。
　土地が足りなくなってきている訳ではありません。
　食料生産やエネルギーとして日本の範囲だけで足りるのか、僕は知りません。
　ともかく、いろいろな原因を合わせた結果として人口が減りつつあります。

　現在は「成熟期」だと受け入れるところから始めた方が良さそうです。

　でも、子供をはじめとした若い人は「成長」を求めます。
　それは自然の摂理です。
　「生まれてくる」ということは、「成長する」と同じことです。
　だから、成長させてあげなければいけません。
　成長を止めるようなことをしてはいけません。
　型にはめることもしてはいけません。

　成熟期には多様性がとても大切です。

　実際のところ、
　多様性をコントロールすることはできません。
　生まれて育ってきた、そのエネルギーを活かすだけです。

　その自由な「成長エネルギ－」で、
　その時々の多様な「多様性」がある社会を作っていくことが成熟期には求められます。

　「動的平衡」という言葉があります。
　「成熟期」を表す言葉です。

　沸騰している鍋の水も、
　沸騰し続けるためには加熱し続けなければなりません。

　老舗が老舗として認められ続けるには、
　常に変革をし続けないといけないとも聞きます。

　「動的平衡」とは、結果として外から見ていると一定に見えるけれど、
　一定に保つためにはエネルギーが必要で、
　内からのエネルギーを発生させ、
　外からのエネルギーを取り入れることが必要です。

　また、「大きくなる」よりも「質の変化」「熟成」「多様性」「趣味性」がキーワードになる。

～～～～～～～

　コーチングの視点から、成長と成熟を改めて考えます。

　「成長期」はなんでもありで、
　本人はそんなこと思っていませんが、
　成長のために、目に見えるもの、手に触れるものすべてを奪ってでも欲して手に入れていきます。
　努力すれば、たいていのことは手に入れることができます。

　純粋な成長エネルギーがエネルギー源なので、
　どんなことでも行動することで、それなりの結果を得られます。

　「ちょっと欲しい」と思うことが大切で、
　エゴでも、他人を押しのけてでも欲する欲が大事。

　組織では、
　組織がまるで一人の人のように「目標や気持ちを揃える」。

　日本の高度経済成長期だけのことかもしれませんが、
　戦争があったために今でいう中年以上の年代が不足していて、
　年齢が若くても管理職となり、権限を持ち、決済をしたとか。

　「成熟期」は、
　本当に必要なものを欲しいと言い、
　今不要なものは不要ときっぱりと断つ。

　本当に欲しいと思うものが見つかるまでは、いろいろなことにチャレンジをすることが大事。
　その期間は、大きくは得られない
　その代わり、失敗はなく、すべて経験であり、チャレンジ。

　欲しいものではなく、本当に欲しいもの。
　得たいものではなく、やりたいこと。
　もっともっとではなく、適量。
　自分にとって不要なもの、必要とする以上のレベルの量や質のものは手放す。

　組織では、
　同じ意見はいらない。同じ生き方はいらない。
　多様性がある、多様な生物が集う生態系のような組織が理想。

　上司がいても、権限を委譲されて決断と責任を引き受ける。

　動的平衡時に必要なことを意識して、
　「内からのエネルギー」「循環」「多様性」「外からのエネルギー」の視点を持つ。

～～～～～～～

　「成長期」の目標実現の根っこには
　　　『欲望をつかみ取る』
　　　『自分が責任を引き受けるしかない』
　　　『周りの人と同じものが欲しくなたら手に入る』
　　　『前例の○倍』
　　　『大きくなる』

　「成熟期」の目標実現の原則は、
　　　『すべてを失ってもかまわない覚悟で思う、本当に実現したいもの』
　　　『全体量を意識した再分配』
　　　『上司、前例があったとしても引きずられず、自分で決断と責任を引き受ける』
　　　『自分のオリジナルである』
　　　『質の変化、熟成、多様性、趣味性』

　コーチはクライアントの目標や実現したいことを評価する必要はないし、そんなことはできないけれど、
「成熟期」のコーチングは、これまでの「成長期」の感覚と違う視点が必要なのじゃないか、と思うのでした。

　改めて。
　『成熟期の目標』は、

　　　『本当にやりたいことに集中する』
　　　『不要なものを手放す・持たない』
　　　『持てる者は、再分配を意識する』
　　　『成熟期の社会の成熟した者は、成長期の乱暴な成長の仕方でも自由に成長できるように場所をつくる』
　　　『成長期の段階にある外の社会に出ていく』

　こうやって、「個人の成長」と「欲望の必要最小化・再分配」
　を同時に実現することが大事だと思うのです。

～～～～～～～

　余談です。
　日常、常に2つの対立する考えを持ち続けることはできません。
　行動が止まってしまいます。
　統合した目標を1ワードで表現できていれば別ですが。

　ですから、「個人の成長」と「欲望の必要最小化・再分配」は、
　コーチとのセッションだけで思いだして、振り返り、
　作戦会議ができればいいですよ。

※参考資料
　●成長せず、「現状維持」を目指すことは悪いことなのだろうか。
　　http://blog.tinect.jp/?p=26422

　●「産まない生き方」論争に感じた違和感　アフロ記者が考える「自立」
　　http://withnews.jp/article/f0160622000qq000000000000000W00810301qq000013568A

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□日　時□　2016年6月26日（日）13：30～16：30
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