勉強するってこういうこと・・・アリの研究を例にして
大学・・・・だけじゃないけれど、研究することの面白さを紹介しよう。
「勉強する」って、すでにわかっていることを学ばされる・覚えさせられることではないのです。
たとえば、『アリ』も研究対象です。
分類学、動物学などとして研究している人もいます。
動物行動学を研究している人からは、こんな研究結果が発表されています。
●働きアリの約40%はまったく働いていないが、それにはこんな理由があった(米研究)
http://karapaia.com/archives/52245905.html
●「なまけアリ」の存在の重要性が確認される。「はたらきアリ」だけだと集団破滅
http://karapaia.com/archives/51544290.html
●働かないアリの方が働きアリより長生きする。それでも働きアリは過労死するまで働き続ける。(琉球大学研究)
http://karapaia.com/archives/52140540.html
●働くアリだけのグループにしても働かない個体が現れることが証明される(北大研究)
http://karapaia.com/archives/52114073.html
「結局、どっちやねん!!」
率直な感想かもしれません。
でも、おもしろそうでしょ?
加わってみたいと思うでしょ?
一番正しくて、勝てるところはどこか、って考えるかなあ。
「勉強する」
って、こういうことです。
「覚えなきゃ」
「習わなきゃ」
と思うから、
「正しい結論、一つの結論を欲しがる」
のです。
「勉強する(研究する)」
というのは、
「こんなんじゃないかな?」と仮説を立て、
「お、やっぱりこうなった」と仮説の正しさに安心することや
「え、なんでこうなるの?」と仮説との違いに戸惑うことなんです。
それに立ち向かうのを、「勉強する」といいます。
~~~~~~~~~
小中高校生には、もう少し書いておいた方がいいかな。
1.その「勉強する場」に行くために勉強する。
これは、「受験勉強」といわれるものと、
「教養を身につける」という、勉強するために最低限身につけておいた方がよいことを勉強すること。
「受験勉強」は、みんなよくわかっているだろうから省く。
入学した後でも勉強をできる能力があるかどうかを判定する試験のこと。
だから、わかっているだろうけれど、
「受験して合格する」のはゴールじゃなくて、スタートなんだ。
そして、
「教養」はたとえば、「数学を勉強したい」と思っても、
表現力やほかの人が書いた本を読み取る力が必要。
何語で書かれているかわからないので、日本語、英語だけじゃない、語学力も必要かも。
ディスカッションや対話で、理解が深まったり、発想が広がったりするので、コミュニケーション法も学んでいたほうがいい。
歴史的背景、地理的背景を知るとより深く理解できることもある。
応用する、物理、化学、地学なども視界に入っていたら、
「使う」というモチベーションが上がるかもしれない。
花を見て、数学の解法を思いつくかもしれないから、幅広いことに取り組んだ経験が必要。
これらが、「教養」だ。
2.「勉強する場」は、大学などの学校だけとは限らない。
「勉強したいこと」があったら、いつ始めてもいい。
大人が働いていても、お父さん、お母さんの年齢になっても、勉強を始めていい。
もちろん、おじいさん、おばあさんの年齢になっても。
だから、小中高校の君たちの、今の年齢からはじめても、何の問題もない。
「知りたい」
「身につけたい」
と思うことはないかな?
部活で、
「記録を伸ばしたい」
「もっと素晴らしい演奏をしたい」
でもいい。
他人から与えられた目標じゃなく、
自分で突き進んでしまう、
やめろと言われても、
気づいたらやっているようなこと。
それは、大学に入らなくても、
今いる学校でも、
今いるサークルや部活でも、
今いる地元のグループでも、
たった一人でも、
いつ、どこで、はじめてもいい。
はじめてみて困ったら、
調べたり、人にきいたりすればいい。
これも「勉強する」というね。
~~~~~~~~~
以上の2つがある。
1.その「勉強する場」に行くために勉強する。
2.「勉強する場」は、大学などの学校だけとは限らない。
最初に挙げた例のように、
「勉強する」
って実はとても面白いことなんだ。
正しいことはおそらく一つなんだろうけれど、
一所懸命に勉強しても、人によって結果が違うことがある。
アリの例でいえば、
種類の違い、かもしれないし、
地域の違い、かもしれないし、
遺伝子の違い、かもしれないし、
観察の間違い、かもしれないし、
分析の間違い、かもしれない。
もしかすると、時期の違い、かもしれない。生物って進化するものだし。
それを探求して、「正しいこと」を見つけようとすることが「勉強」。
ね、「勉強する」っておもしろいでしょ?
それでも「大変そう!」????
いやいや、そう思う君も常に「勉強」してるよ。
テレビを見たり、ゲームをしたり、道草を食ったり、友達と遊んだり、
「興味あること」をしてるでしょ?
その調子で、もっと「勉強」しましょう。
一つ言っておきたいな。
ゲームやテレビは、興味を惹き続けるように作られているので、
いつまでも終わらせられないので、惰性で時間を使いがち。
「他人が作った枠組み」
で遊ばされているかどうか、気づいていたほうがいいよ。
関連記事
-
勉強しているとき、文章を読むだけでは訳がわからない時
勉強法の一つの提案。 中二の息子が秀才の友達から勉強法を聞いて、やる気を出した!「まずは、文字
-
生徒自身が周辺住民とのトラブルを解決する仕組みをつくった
SPA!に、こんな記事がありました。 高校生が日本初の「騒音トラブル解決モデル」を発足。周辺住
-
自分は何に共鳴してその仕事をしたいのだろうか
やりたいこと、っていいながら、結局なにかの「職業」につきたいだけということはある。でも、その「職業」
-
10年先のロボット研究のテーマは何だろうか?
Mr Robot has some RAM (1 of 3) / isherwoodchris[/
-
ロボット教育、プログラム教育で、「目的としていないもの」を手に入れろ
ロボット教育、プログラム教育を 文部科学省は、2020年から小学校以上の必修にしようという案が出て
-
「教育の情報化(ICT化)」を横目で見て思うこと
貧困層の子どもたちにパソコンを与えることが、教育問題解決となるのか?http://nge.jp/20
-
ロボット教室の生徒諸君。その3
ロボプロ講座2年目冬タームをどんどん進んでしまった生徒諸君へ 宿題です。 「次回まで
-
「教える」よりも「安全の場をつくる」「学ぶ喜びを体験させる」
塾の先生として、 知って実践しておきたいことだったので、この記事を紹介します。 ~~
-
ロボット教室の生徒諸君 その6
ロボット教室の生徒諸君 ロボットづくりは、 ロボットを作ることじゃなくて ←こんなの当然
-
学校にも「コーチングの心」を
教師が子どもを追い詰める―― 「指導死」の現場からhttp://news.yahoo.co.jp/f
PREV :
生徒自身が周辺住民とのトラブルを解決する仕組みをつくった
NEXT :
小中高校時代にも「自分で切り開く体験」をしよう