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おそらく人間の大多数は戦を望んでいない

公開日: : et cetera-opinion

「折々のことば」より

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> 平和のときには子が父の葬(とむら)いをする。しかし戦いとなれば、父が子を葬らねばならぬのじゃ。
> ヘロドトス
 (選・鷲田清一)

朝日新聞 折々のことば
http://digital.asahi.com/articles/ASJ517GKCJ51UCVL00R.html?rm=130

~~~~~~~

おそらく人間の大多数は戦を望んでいない。
少なくとも戦場の最前線に行きたいと望んでいる者は誰もいないだろう。
平和とはどういう状態で、1人1人がどんな生活をし、
平和の中でどのようなことを考え、人間関係を築き、続けていくのか?
「戦は人として悲しい」と言うだけでは、戦はなくならない。
戦をリアルに感じ、戦を避けるための努力を続けないと、戦はなくならない。

~~~~~~~
と、ここまで先日Facebookにコメントをつけた。
それに対してある人からこのようなコメントをいただいた。

「その努力ってなんでしょうね。他人を批判する話しか聞こえないのが残念です。」

~~~~~~~

うーん、そうだよなあ。
安全な場所から、天上からのような言葉だけを言っていても、何の影響力もない。

だからといって、

   「行動だ」

とはならないけれど。

~~~~~~~

いただいたコメントに対して、こんな風に返しました。

「戦よりも価値があるもので、
共同して作り上げないとできないものだと思うな。
なんでしょうね。
--
あ、それと、
「自分は弱い。虐げられている。どんなことでもして相手を少しでも痛めつけなければならない」
と思う弱い心を替えることだろうね。」

~~~~~~~

まず、「戦争反対」なんて言うのは、当たり前すぎるし、誰も戦争なんて望んでいない。
一部望んでいるのは、「武器商人」や「安全なところからその戦争している国に商品を売っている人たち」
望んでなくても、
「自衛のため」という言葉で、知らないうちに自衛すべきものが増え、際限なく戦が拡大されてしまっていた、
なんてことは多々ある。

で、2国間で戦をしないために
一番簡単なのは、『共通の敵を設定すること』。

でも、そんなことでしかまとまれないとしたら、
人間って、僕がこれまで思っていたよりもはるかに愚か。

その代わりの考え方の一つが、

   『戦よりも価値があるもので、
    共同して作り上げないとできないもの』

それを「平和」だなんて言ったら、また元の議論に戻っていく。

まだ思いつかないけれど、

   ・スポーツ
   ・アート
   ・文化
   ・遊び
   ・搾取のないビジネス

ほか、もっといいアイディアはないだろうか?

~~~~~~~

それと、もう一つ大事なのは、

「自分は弱い。虐げられている。
 どんなことでもして相手を少しでも痛めつけなければならない
 と思う弱い心を替えることだろうね。」

この被害者意識はかなり厄介で、

「私は、こんなにひどい目に遭っているので、
 何をしても神に赦される。
 むしろ、私たちの仲間のために戦わなければならない。
 それをしないと、神の怒りを買う」

ここまで極端なものはないだろうけれど、
どれほど弱いレベルの攻撃でも、明らかに「戦」につながる。

問題は、この被害者意識を持っている人は、
かなり力があり、お金を持っている人の中にも、いることだ。

銃を所有し、
そこまででなくても
もしものためにカバンの中に刃物を持っている人は、
世界まで広く見なくても、居る。

心が弱いから、常にビクビクしており、
何かあったらすぐに武器を取り出して相手を傷つける。

相手が反撃してきても、さらに攻撃し、
反撃してこなくても、それが怖いからさらに攻撃する。

「他人を批判する声」というのは、
相手の成長を願った批評ではなく、
この被害者意識、恐怖心から出ているに過ぎない。

だから、「他人を批判する声」を出す人は、
自分が匿名で誰かわからないようにしようとするし、
自分が得意なフィールドに相手を引き出そうとする。
そしてヒステリックに、一つのことしか言わない。
人の話を聴かない。
対話して新たな発見をしようとしない。

~~~~~~~

で、もし「自分は強い」と思えてもそれで終わらない。

体育会系の部活で、
「部の伝統」という名の、イジメやシゴキが順繰りに伝えられていくことがある。

「強くなった」ら、ほかの人にイジメやシゴキをし始めるかもしれない。

『落ち着いて、相手と対等に対話』できるだけの、人間性と人間観、技術が必要だ。
技術は、トレーニングして向上できる。

そして、もしかしたら、
「自分としての個人」
「相手としての個人」
「家族の中の、自分の父である個人」

など、「個人」を尊重する行動ができることが大切かもしれない。

「集団」は暴走するからね。

「個人の方が危ない」ともし思われているとしたら、それは違う。
それは個人を尊重しているのではなくて、
放置し、
捨ておいて、
無視して、
話をしてもらえる相手になっていないから。

そんなことをしていたら、
当然「人は暴走」する。

「被害者意識」は個人の責任というものの、
そのためにこちらが被害を受けるのであれば、
被害者意識がむくむくと発達しないようにしないといけない。

これって、人ごとのように書いているけれど、
「自分がそういうモードに入っているかもしれない」
「他人からそう見えて居るかもしれない」
というおそれを持っておくことが大切だからね。

「戦を無くす」

というのは、
結局は戦を考えることではなくて、
人の弱い心があることを知り、
視点を戦がない社会を前提として初めて実現できる目標に持つことなんだ。

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