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Vol. 88 [せめて中学生のころ、勉強するってどういうことかわかっていたらなあ]

公開日: : 最終更新日:2016/09/09 Core Infinity 通信, 子供達の学ぶ心

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  Core Infinity 通信【Vol. 88】   2015/11/23
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 リフレクション・コーチング の若狭 喜弘(Yoshi:よし)です。
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【せめて中学生のころ、勉強するってどういうことかわかっていたらなあ】

 もう、タイトルだけで言いたいことは言っている気がしますが、そういうことです。

 ご存知の人はご存知のように、僕はロボット教室の先生をしています。
 日々、多くの生徒さんと出会い、会話をしています。

  ・テキストを丁寧に読んでその通りに作る生徒
  ・テキストをろくすっぽ読まずに適当に作ってうまくできない生徒
  ・テキストをよく読まずに適当に作って動かないので、全く想定外の工夫で
   テキストとは違った形だけれど動くロボットを作る生徒
  ・テキストをあまり読まないけれど、それなりに作る生徒
  ・テキストを見ず、見本のロボットを見てひたすら真似して作り上げる生徒

 これらの生徒と接して、「学ぶとはどういうことだろうか?」と思ったのです。
 という訳で、

   『あなたは、勉強するってどういうことかわかっていますか?』

~~~~~~

 いちおう僕は「コーチ」で、
 この場は「コーチの視点から」お伝えしている文章です。

 関係なさそうに見えるでしょ?

 けれど、コーチングのポイントを知っていると、
 何が大事で、
 何が本人のヤル気が出るか、
 最後の責任を持つ気持ちになるか、
 がわかるのです。

~~~~~~

 で、先に記した生徒たちは、何を「学んで」いるでしょうか?
 「学ぶ」とは、どういうことでしょうか?

~~~~~~

 「学ぶ」といえば、生徒たちは精いっぱい学んでいます。
 お父さん、お母さん、ご家族、親戚の人などの

  ・言葉
  ・振舞い方
  ・笑い方
  ・癖、口癖
  ・歩き方、立ち方、座り方など体の動かし方
  ・何か言われたときの反応の仕方
  ・感情の表現方法
  ・自分の主張を通す方法

 「そのまま真似する」というのもありますし、
 「試しにやってみたら成功した方法」というのもあります。

 家族としては「恥ずかしいからやめて」と思うことでも、
 お父さん、お母さん、ご家族、親戚に人などから学んで実践しています。

 もちろん、教室での振舞いを観察していると、
 日ごろ、どんな風にこの生徒が接してもらっているかがおぼろげながら見えてきます。

 これも、「学び」「学習」です。

 いや、これが「学び」「学習」です。

~~~~~~

 「生き延びるため」
 「自分の中の一番大切なものを守って生き延びるため」
 「実現したいことを必ず達成するため」

 これらのために必要なことですし、
 小学生はまずこの方法で学びます。

 だから、彼らは「学んで」いるのです。

~~~~~~

 それに対して、学校の勉強や塾、ロボット教室は少なくとも
 「生き延びるため」ではありません。

 だから、「やらされている」もしくは「遊び」と思っても仕方ありません。

 世界を見渡してみて、学校がなかった地域に学校ができると「学ぶことが楽しくて仕方がない」と聞きます。

 どこが違うのでしょうか?

 そもそも、「学校とは?」「学ぶこととは?」何でしょうか?

~~~~~~

 いま日本で「知識」は、テレビと学校から降り注いできます。
 『知識を飢えている』ということはありません。

 そして、テレビは出演者が正解したり間違ったり、罰ゲームを受けますが、それを家で笑って見ています。

 学校では、「テスト」で点数をつけられます。

 この状況から学ぶことは、

  ・情報は待っていたらやってくる。
  ・それを「覚えているか」をテストされる。
  ・テストを間違うと、罰がある。
  ・罰を受けないためには、テストを受けないか、他人がテストを受けるのを
   傍観しているのがよい。
  ・情報を最初から受取らない方がいい場合もある。
  ・知識を他人に言ったら損をする場合がある。

 これらからは、『学びが芋づる式につながる』とは言えません。
 せいぜい、『学ぼうとしないことを学んでいる』と言っていいでしょう。
 (「学ぶ」とは、「証拠を集める」とも言える)

 学校の勉強も、それぞれの科目、単元は意味がありますが、
 それぞれがつながり、今の自分の生活、将来の自分の人生につながっていくことは想像できません。

~~~~~~

 「学ぶとはどういうことだろうか?」

 コーチングの世界に持ってくるのは強引に見えるかもしれませんが、

   『目標を持つこと』

 です。

 ピアニストになる
 プロスポーツ選手になる
 銀行員になる
 先生になる

 といった、社会でわかりやすく区分された職業に就くことは「目標」ではありません。

 世間で言われていたり、テレビで流れている、そういう人たちがテレビで見せている生活は「目標」ではありません。
 もし、職業視点で「目標」を言うのならば、

  ・毎日、どのような習慣を持って生活しているか?
  ・毎日、どんなトレーニングをしているか?
  ・誰とどのような会話をして、スキルアップしているか?
  ・誰とどのような会話をして、応援してもらっているか?

 そして、そのために、まず取り組むこととして、

  ・今の自分が身につけなきゃならないことは何だろうか?
  ・どのような計画で実行するか?
  ・そのために何が必要か?

~~~~~~

 上の文章を読んで苦しくなった人もいるはず。
 興味や関心は、いろいろな経験をするほどに変わっていくものです。
 「方向」が変わる人もいるでしょうし、
 「質や詳しさ」が深まる人もいるでしょう。

 まずは、今自分が興味ある「方向」を知ることです。
 そして、取り組むことです。行動することです。
 そして、取り組みながら、一所懸命に考えることです。
 そうしたら、もし方向が変わったとしても、今までのことは必ず役に立ちます。

~~~~~~

 「ロボット教室」に来ている人は、一歩進んでいます。
 「ロボットをやりたい」と思ったわけですから。
 「方向」がわかりました。

 ロボットを作るためには段階があります。

 1.まずはテキスト通りに造る。理解する。

 2.テキストに書かれていない「技」を発見する。

 3.自分なりの作り方を見つけ出す。
   ロボプロ講座では、ネジとナットで止めたり、木ネジで止めつけたりします。
   ネジの締め方は、自分が見つけたノウハウです。

 4.「こんな動きをさせてみたい」と遊ぶ気持ちで案を出す。
   コーチングでは「目標」「ゴール」と言ったりしますが、
   何より「遊ぶ気持ち」が大事です。
   そして、完成のために、調べたり、調整したりを繰り返す。

 5.オリジナルのロボットを計画、設計し、造り上げる。

~~~~~~

 僕は、この「4」となるように、許可を出してほしいんです。

 4.「こんな動きをさせてみたい」と遊ぶ気持ちで案を出す。

 「許可を出す」のが、難しいです。
 生徒に取って乗り越えるのが難しい山です。
 待っていたら、情報やテストは向こうからやってくる生活をしていますから。

 「許可を出す」のは、保護者でも先生でもありません。
 『本人』です。
 生徒が、自分自身に「許可を出さ」ないと何も前に進みません。

 でも、「許可を出せない」生徒がほとんどです。

 中学生も来ていますが、
 問題の答えを導くことはできても、
 自分で動きを思い描こうとはなかなかしません。

 対処の一つとして、
 ここが「安全な場」と何度も伝え続けています。

~~~~~~

 で、僕がロボット教室で学んでほしいことは

 4.「こんな動きをさせてみたい」と遊ぶ気持ちで案を出す。

 に「許可を出してもいい」「許可を出した経験」
 なんです。

 この思考の習慣が身につけば、
 もしかしたら、「人生をかけて取り組みたい目標」が、小学生、中学生のうちに見つかるかもしれませんし、
 今すぐには見つからなくても、適切なタイミングでそれと出会った時に、柔軟に方向転換ができる
 と思うのです。

~~~~~~

 だから、僕自身に課している課題は大きくて、

  ・「学ぶ」ことを身につけてもらう方向を示し続ける。
  ・自由で安全な場をつくる。
  ・今上手にできていることではなく、本人が気づいていないが興味の方向を
   観察し、発見する。
  ・それを伝える。
  ・生徒が今望んでいる方向から迷ったら、元の道を示す。
  ・生徒が今望んでいる方向から迷ったら、新しい興味の方向をサポートする。
  ・どちらを選ぶか、生徒が考える場に立ちあう。

 です。
 書き出してみると、コーチがコーチングでしていることと同じです。

 「学ぶとはどういうことだろうか?」

 これを中学生時代に理解できていれば、違った人生があったかもしれません。
 それを伝えようとする先生がいれば・・・・。
 もう少し早かったかも・・・・。
 結局今につながるとは思うけれど・・・。

~~~~~~
【補足】
 もし今、やりたいことが見つからないとしたら、
 義務教育期間の勉強はすべての基礎になるので、身につけておいた方がよいです。
 「目標」達成のためだけではなく、
 「趣味」「教養」の出発点にもなります。
 学校は、自分や家族との生活の枠から大きく外れた、
 まったく別の世界があることも教えてくれるので、
 前向きに楽しめば得るものは大きいです。

     リフレクション~自分の根っこから無限の遠くまでを愛する人生を~
                    若狭 喜弘(Yoshi)

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